自覚しにくいことの怖さ

自覚しにくいことの怖さ

最近、民間企業のみならず政府機関や軍事産業に対して“サイバー攻撃”が仕掛けられ、甚大な被害を出していたことが、次々とTVや新聞などで報道されております。

今年9月、防衛産業大手の三菱重工業のコンピューターシステムに大規模なサイバー攻撃が仕掛けられ、最新鋭の潜水艦やミサイル、原子力プラントを製造している工場のサーバーやパソコンなど約83台がコンピューターウイルスに感染していた事例は記憶に新しいことと思います。
                                                                      
7月末には、衆議院議員の一人が届いたメールの添付ファイルを開いたことで“トロイの木馬”タイプのウイルスに感染し、以来、衆議院議員のネットワークは中国内のサーバーからパスワードなどが盗みだせる状態になっていたことが明らかになっています。
                                                                      
一般庶民に公表されているこれらの事例などは「氷山の一角に過ぎない」とみるのが妥当でしょう。いったいどのくらいの攻撃を受けているのか、正直私には想像もつきません。

                                                                      
私は幼少期、『縁側にろくに鍵もかけることなく、遊びに出かけていた呑気な世代』ですので、

                                                                     
平和で、ムラ的な、  日本のおだやかさを愛する平和主義者(?)ですが、今回のような国益に大きく関わる危機事項に関しては、
                                                                      
ある種の“戦争”行為  として捉え、断固として国家機密が流出せぬよう(既に遅いのかもしれませんが)、レベルの高い対策・外交を願うばかりであります。

                                                                      
いずれにせよ、これら“サイバー攻撃”の非常に厄介な点は、「被害・実態が目に見えない」という点です。
                                                                 

“強盗”のように『物が失くなる』わけではなく、
“殺人”のように『人が死傷する』わけではないのです。

今回の“トロイの木馬”ウイルスにしても、
*何が盗まれた(コピーされた)のか、わからない
*盗まれたものを通じて何が起こるか、わからない
                                                                      
もっといえば、
*何も盗まれていない可能性だって、ゼロではない
のです。

ある意味これは、「非常に怖い、不気味なこと」です。
被害や影響度が、「まるで実感・想定できない」からです。
*被害は、0なのか?10なのか?10000なのか?
*発生は、明日なのか?来年なのか?10年後なのか?
わからないのです。
                                                                      
これまでの事例は”発覚した”わけですから、”痕跡があった”ということですが、中には、
「痕跡が残らない」=「発覚しない」=「想像すら許されない」
というケースだってあり得るのです。これは本当に最悪のケースです。
                                                                      
例えば、
●某国Xの最新ミサイルの設計図がコピーされます。
この時点では、何も起きません。
 ↓
●設計図のコピーが敵国Yに売買されます。
まだ何も起きません。何も知りません。
 ↓
●ある日、敵国Yが最新ミサイルを完成させます。
                                                                      
このときの両国のパワーバランスの変動や、失った諸外国への信頼や技術的価値etc… その後の『某国Xの損失』はいかほどでしょうか。私には想像もつきませんが。

“サイバー攻撃”の脅威は、様々に挙げることができると思いますが、

【「自覚のしにくさ」こそが、最大の脅威であり恐怖】

といえると思います。
                                                                      

我々パチンコ産業における“ゴト”も、似た側面を持っているように感じます。
                                          
被害や影響度が『わかりづらい』『自覚しにくい』という点においてです。
(現金や景品強盗などはむろん『見えます』が)

例えば、
●設定表がコピー(高設定がZに流出)
それだけでは何も起きません
 ↓
●高設定台をZが遊技する
その行為自体に異常性はありません
 ↓
●遊技の結果、2万枚がZに支払われる。

『店舗の損失』は・・・・やはり2万枚でしょうか???

                                                                      
人は、高価な金品のような、目に見える『物』が盗まれたり、自分自身が痛みを感じる『怪我』などについては、迅速に対応できます。方策も明確ではあります。
                                                                      
しかし、本来もっとも失ってはいけないモノ、気を使わねばならないモノ、とは、
*人、国、企業としての信頼
*普段痛みを感じることのできない部位における健康
といった、
「自覚のしにくい」モノ
にあるのではないでしょうか。
                                                                      

“ゴト”に対する対策の第一歩は『自覚すること』であり、我々の仕事の第一歩も、そこにあるのだと考えております。
当GT-webがその部分のお役に立てましたら幸甚でございます。

2011-10-31 ゴト師の人生 ホールの社会的役割 店舗の無色化?
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